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白書2025 刻み込みノート

中小企業経営|直前詰め込み用(8/1夜〜8/2朝)・これ1枚で完結|第I部=年度不変の土台(定義・シェア・業種別の顔つき・開廃業率)+第II部=2025年版の出そうなところ。出題根拠は2025年版(令和7年版)中小企業白書・小規模企業白書(2026年版ではない)。
構成:このノートは2部構成。第I部「土台編」=年度が変わっても動かない、毎年必ず問われる骨格(定義・シェア・業種別の顔つき・開廃業率)。第II部「2025年版編」=今年の白書から出そうなところ
使い方(8/1夜・所要2時間想定):①第I部を先に固める(ここは理解すれば忘れない。落とすと致命傷) → ②第II部は最初の「物語」を音読して背骨を入れ、各章は「因果チェーン→数値アンカー→ひっかけ」の順に読む。数値は正確な値でなく「大小・方向・桁」で刻む(本試験は「増えたか減ったか」「どちらが大きいか」「順位」で問うのが基本形) → ③各部の末尾の○×ドリル(計38問)で仕上げ。8/2朝・科目間はドリルだけ再読。
第 I 部
土台編 — 年度が変わっても動かない骨格
出典は白書2025だが、ここに載る「定義・順位・構造」は毎年ほぼ同じ形で問われる。数値そのものより大小関係とその理由を持ち帰る。

T1. 中小企業者の定義中小企業基本法|G科目の最頻出・落としたら事故

4つの門は「または」で通る
業種資本金 常用雇用者数
製造業・建設業・運輸業その他3億円以下または300人以下
卸売業1億円以下または100人以下
サービス業5,000万円以下または100人以下
小売業5,000万円以下または50人以下
「サンビャク・ヒャク・ヒャク・ゴジュウ」で人数を先に唱え、資本金は「3億・1億・5千万・5千万」。小売とサービスは資本金が同じ5,000万円で、人数だけ50/100で分かれる——ここが最頻出の入れ替えポイント。 「または」を「かつ」にすり替える。両方満たす必要はない。資本の薄い会社も、人手の多い会社も、どちらも拾い上げるのが基本法の狙い。
特例4業種(白書の統計注記に毎回載る=出題者の手元にある)
業種特例なぜ
ゴム製品製造業(一部除く)3億円以下 または 900人以下労働集約的で人数が膨らむ製造業
ソフトウェア業・情報処理サービス業3億円以下 または 300人以下サービス業なのに製造業と同じ枠へ引き上げ
旅館業5,000万円以下 または 200人以下サービス業だが現場人数が多い
小規模側の例外:宿泊業・娯楽業は 20人以下(商業・サービスの5人ではない)
ゴム900・ソフト300・旅館200」。数字が大きい順に並ぶので覚えやすい。全部「人数だけが特別扱い」(ソフトウェア業は資本金も3億に上がる点だけ別)。
小規模企業者 — 資本金を見ない
業種常用雇用者数
製造業・建設業・運輸業その他20人以下
卸売業・小売業・サービス業5人以下
宿泊業・娯楽業(例外)20人以下
「20か5か。ただし宿泊と娯楽は20へ戻る」。小規模の判定に資本金は一切出てこない——ここが中小企業者との決定的な違い。

T2. 物差しで変わる中小企業の地位経済センサス|「99.7%」の一人歩きに注意

4つの物差し、4つの顔(非一次産業計)
物差し中小企業うち小規模企業大企業
企業数(2021年)99.7%(336.5万者)84.5%(285.3万者)0.3%(1.0万者)
従業者数(2021年)69.7%(3,310万人)20.5%(973万人)30.3%
付加価値額(2020年)56.0%14.5%44.0%
売上高(2020年)47.3%10.5%52.7%
99.7 → 約7割 → 約5.6割 → 約半分」と、物差しを変えるたびに階段状に下がる。順番だけ刻めば数値は追える。売上高だけは中小が5割を切って大企業に逆転されるのが盲点。 ①「企業数99.7%」をそのまま従業者数や付加価値額に当てはめる。②常用雇用者数(65.6%)と従業者数(69.7%)は別物——従業者数には個人事業主本人や家族従業者が入る。「雇用の7割」と言うときはどちらの指標かを見る。 数で見れば主役、稼ぎで見ればまだ半分。支援先に立ち位置を説明するときの2軸そのもの。
業種で中小のシェアは大きく偏る(付加価値額ベース・2020年)
中小のシェアが低い業種 中小のシェアが高い業種 
金融業・保険業14.1%生活関連サービス業・娯楽業82.5%
情報通信業44.8%運輸業・郵便業80.9%
製造業48.8%宿泊業・飲食サービス業78.3%
学術研究・専門技術サービス47.9%建設業76.4%
製造業は中小が半分を切る(大企業51.2%)」が最重要。企業数では99.4%が中小なのに、稼ぎでは大企業に負ける——大手メーカーの一社あたりの規模が桁違いだから。金融・情報通信も同じ理屈。逆に建設・運輸・宿泊飲食・生活関連は中小が8割前後を稼ぐ「中小の主戦場」

T3. 業種別の「顔つき」中小企業実態基本調査|NIKAの直感どおり、業種で財務が別物

全業種の経営指標(2023年度決算実績)— 赤字が最大、青字が最小
産業ROE売上高
経常利益率
総資本
回転率
自己資本
比率
財務
レバレッジ
付加価値
比率
全業種9.884.371.0144.402.2526.13
建設業10.464.711.0947.592.1027.30
製造業8.735.060.9249.832.0129.68
情報通信業11.847.040.9955.541.8043.24
運輸業・郵便業11.703.441.1136.572.7343.99
卸売業9.932.721.6143.542.3010.88
小売業10.492.531.5936.032.7819.42
不動産業・物品賃貸業10.5212.610.2940.182.4947.18
学術研究・専門技術サービス7.9010.300.5365.591.5350.24
宿泊業・飲食サービス業22.003.471.0816.006.2546.57
生活関連サービス業・娯楽業8.023.131.0734.552.9027.47
サービス業(他に分類されないもの)10.394.780.9645.082.2250.78
出典: 中小企業庁「令和6年中小企業実態基本調査速報(令和5年度決算実績)」=白書2025 付属統計資料15表。単位%(総資本回転率・財務レバレッジは倍)。
全部を1本の式で串刺しにする(これだけ覚えれば表は要らない)
ROE = 売上高利益率 × 総資本回転率 × 財務レバレッジ
(利益の厚さ)×(資産を何回転させるか)×(他人資本でどれだけテコを効かせるか)
業種の「顔つき」は、この3つのつまみのどれを回して稼いでいるかで決まる。5つの型に分けて刻む:
業種特徴構造的な理由
①薄利多売卸売・小売回転率が最高(1.6)/利益率が最低(2.5〜2.7)/付加価値比率が最低(卸10.88)仕入れて売るだけ。売上の大半が仕入原価なので、自分で生み出す付加価値の割合が小さい。薄い利ざやを回数で稼ぐ
②資産保有不動産・物品賃貸回転率が最低(0.29)/利益率が最高(12.61)物件という巨大な資産を抱えて賃料を得る。資産は年に0.3回しか回らないが、1回の利ざやが分厚い。①の完全な裏返し
③人が資本学術研究・専門技術サービス自己資本比率が最高(65.59)/レバレッジ最低(1.53)/利益率も高い(10.30)設備がいらない商売(設計・コンサル・士業)。借りる必要がないので自己資本が厚くなる。ROEが最低(7.90)なのはテコを使っていないから=弱いのではない
④設備型製造業回転率が低め(0.92)/自己資本比率が高め(49.83)/レバレッジ最低クラス(2.01)NIKAの直感どおり:機械・工場という長期に寝る資産を持つ。長期資金は返済不要の自己資本で賄わないと資金繰りが持たないので、自己資本を厚くする。資産が重いぶん回転率は落ちる
⑤借入テコ宿泊業・飲食サービス自己資本比率が最低(16.00)/レバレッジ最高(6.25)/ROE最高(22.00)装置産業なのに自己資本が薄い=コロナ禍の欠損と借入が残る傷。ROEが最高なのは儲かっているからではなく分母の自己資本が極端に小さいから。ROEの高さ=優良、と読ませる罠が作れる
対で刻む——「卸売と不動産は正反対」(回転率1.61⇔0.29/利益率2.72⇔12.61)、「学術研究と宿泊飲食は正反対」(自己資本比率65.59⇔16.00/レバレッジ1.53⇔6.25)。この2組の対比だけで表の四隅が埋まる。 順位の入れ替えが定番——「総資本回転率が最も高いのは不動産業」(正しくは最も低い)。②ROEの高さを収益力と読ませる——宿泊飲食のROE22.00は自己資本比率16%の裏返し。③自己資本比率の最高は情報通信(55.54)ではなく学術研究(65.59) アパレル支援(卸小売型=薄利多売・回転勝負)とクリニック立ち上げ(設備型=初期投資が重く自己資本と長期借入の設計が命)を並べると、この表の両端がそのまま実務の景色になる。
数値は動く、構造は動かない(ただし1組だけ注意)
この表は毎年の調査で数値が更新される(本表は令和5年度決算実績=今年の試験の根拠)。「卸売の回転率が最高」「不動産の利益率が最高・回転率が最低」「宿泊飲食の自己資本比率が最低」は年度が変わっても動かないので、この3点を軸に据える。
ただし自己資本比率の1位・2位(学術研究65.59 と 情報通信55.54)は年度によって入れ替わった実績がある(令和4年度決算実績では情報通信55%>学術研究52%)。上位2つを競わせる出題が来たら深追いせず、確実な「最低は宿泊飲食」側から消去する。 補強材料:宿泊業・飲食サービス業は総資本経常利益率(ROA)でも全業種最低(令和4年度決算実績で1.2%/全業種平均4.3%。コロナ前の平成30年度も2.8%で最低クラス)。自己資本比率も収益性も最下位という一貫した姿なので、ここだけは自信を持って選べる。

T4. 開業率・廃業率3つの統計で数字が違う。どれの話かを見る

出典が3つあり、数値も傾向も違う(ここが混乱の元)
統計直近値大小
経済センサス(企業ベース)
2016〜2021年
開業率 4.0%/廃業率 5.3%廃業率>開業率
雇用保険事業年報(事業所ベース)
2023年度
開業率 3.9%/廃業率 3.9%ほぼ拮抗
設立登記ベース(会社)
2022年
開業率 4.6%/廃業率 2.9%開業率>廃業率
企業ベースでは廃業が開業を上回る(4.0<5.3)が、会社の設立登記ベースでは逆転する(4.6>2.9)」。どれも4〜5%前後で、日本の開廃業率は総じて低水準という結論は共通。 出典を書き換えて数値だけ持ってくる。「開業率は廃業率を上回っている」の正誤はどの統計の話かで変わるので、設問の資料名を必ず読む。
国際比較 — 「日本は開業も廃業も少ない」が結論
開業率廃業率
日本4〜5%4〜5%
ドイツ(欧米で最低)7%前後7%前後
英国(最高)14%超11%
日本4〜5、ドイツ7、英国14」。欧米で一番低いドイツですら日本より高い、という言い方を刻む。政府目標は「日本再興戦略」(2013年閣議決定)で開業率10%台——現状の倍以上で、まだ達していない。 「日本の開業率は欧米と同程度」「廃業率は欧米より高い」→いずれも×。日本は入れ替わりが少ない=新陳代謝が乏しいのが問題意識であり、これが創業支援策の存在理由になっている。 数値の出所は平成30年版中小企業白書(2017年度データ)。年次は古いが、この大小関係と政府目標10%は毎年同じ形で問われる定番。

T5. 土台編○×ドリル18ここは落とせない

中小企業者に該当するには、資本金基準と従業員数基準の両方を満たす必要がある。
×または」。どちらか一方を満たせばよい。資本の薄い会社も人手の多い会社も拾うのが基本法の設計。
小売業の中小企業者は、資本金5,000万円以下または従業員100人以下である。
× 小売業は50人以下。100人以下はサービス業・卸売業。資本金が同じ5,000万円のサービス業と混同させる最頻出パターン。
卸売業の中小企業者は、資本金1億円以下または従業員100人以下である。
製造業その他3億/300人、卸売1億/100人、サービス5千万/100人、小売5千万/50人。
ソフトウェア業・情報処理サービス業は、資本金3億円以下または従業員300人以下の特例が適用される。
サービス業でありながら製造業と同じ枠。ほかにゴム製品製造業900人、旅館業200人。
小規模企業者の判定には、資本金と従業員数の両方を用いる。
× 従業員数のみ。資本金は見ない。製造業その他20人以下、商業・サービス業5人以下、宿泊業・娯楽業は例外で20人以下。
中小企業は企業数で約99.7%、従業者数で約7割、付加価値額で約5割強を占める。
99.7%/69.7%/56.0%。物差しを変えるほど階段状に下がる。
売上高で見ても、中小企業は全体の過半を占める。
× 売上高は47.3%で大企業(52.7%)に逆転される。中小が5割を切る唯一の主要指標。
製造業では、付加価値額の過半を中小企業が占めている。
× 製造業は中小48.8%で大企業51.2%が上回る。企業数では99.4%が中小なのに、稼ぎでは負ける。金融保険(14.1%)・情報通信(44.8%)も中小シェアが低い。
建設業・運輸業・宿泊飲食業では、付加価値額の8割前後を中小企業が生み出している。
建設76.4%・運輸80.9%・宿泊飲食78.3%・生活関連82.5%。中小の主戦場。
総資本回転率が最も高いのは不動産業・物品賃貸業である。
× 不動産は最低(0.29)。最高は卸売業1.61・小売業1.59。物件を抱える不動産と、仕入れて即売る卸小売は正反対。
売上高経常利益率が最も高いのは不動産業・物品賃貸業である。
12.61%。回転率は最低だが1回の利ざやが分厚い。次点は学術研究・専門技術サービス10.30%。最低は小売業2.53%。
自己資本比率が最も高いのは情報通信業である。
× 最高は学術研究・専門技術サービス業(65.59%)。情報通信は55.54%で2位。設備がいらない商売ほど自己資本が厚い。
宿泊業・飲食サービス業はROEが最も高く、財務的に最も健全といえる。
× ROE22.00は最高だが、自己資本比率16.00%(最低)・財務レバレッジ6.25倍(最高)の裏返し。分母が小さいだけで健全さの証明にはならない。
製造業は他業種に比べ自己資本比率が高く、総資本回転率は低い傾向にある。
自己資本比率49.83%(全業種44.40%より高い)・回転率0.92(1.01より低い)。設備という長期資産を自己資本で賄うため。
卸売業は付加価値比率が全業種の中で最も低い。
10.88%。売上の大半が仕入原価で、自ら生み出す付加価値の割合が小さい。最高はサービス業(他に分類されないもの)50.78%。
経済センサス(企業ベース、2016〜2021年)では、開業率が廃業率を上回っている。
× 開業率4.0%<廃業率5.3%。ただし会社の設立登記ベース(2022年)では開業率4.6%>廃業率2.9%と逆転する。どの統計の話かで答えが変わる
日本の開業率は欧米諸国と比べて低く、欧米で最も低いドイツよりもさらに低い水準にある。
日本4〜5%、ドイツ7%前後、英国14%超。「日本再興戦略」(2013年閣議決定)は開業率10%台を目標に掲げたが未達。新陳代謝の乏しさが創業支援策の根拠。
宿泊業・飲食サービス業は、自己資本比率が最も低い一方で、総資本経常利益率(ROA)は全業種平均を上回る。
× ROAも全業種最低(1.2%/全業種平均4.3%・令和4年度決算実績)。自己資本比率16%・ROA最低と一貫して厳しい。ROE22.00%が高いのは分母の自己資本が小さいだけ。
第 II 部
2025年版編 — 今年の白書から出そうなところ
出題根拠は2025年版(令和7年版)。ここから先の数値は今年限りの「天気」であり、来年には書き換わる。

0. まず物語を1本だけ入れる2025年版の背骨=「経営者の経営力」

30年ぶり「金利のある世界」+円安・物価高+構造的な人手不足 借入依存が高く・輸入比率が高く・現場人材に頼る中小を直撃 コストカット戦略はもう限界 積極投資・デジタル化・適切な価格設定・価格転嫁で労働生産性を上げ、賃上げ余力を創出する その大前提が経営者の「経営力」(①個人特性 ②戦略策定 ③組織人材) 中小企業は「成長の壁」の打破とスケールアップ(100億企業)へ、小規模事業者は差別化と「経営の自走化」・地域課題解決へ。
タイトルで刻む——中小白書第2部「新たな時代に挑む中小企業の経営力と成長戦略」/小規模白書第2部「経営力を高める小規模事業者の持続的発展と地域貢献」。どちらも主語は経営力。迷ったら「経営力・成長(中小)/持続・地域(小規模)」に寄せて答える。 NIKAの実感そのままでいい——クリニックもアパレルも「値付けを直し、現場の生産性を上げ、給料を払える体質にする」話。白書は今年、日本中の中小にそれを言っている。
章構成(どの引き出しから出るか)
ブロック中身
第1部(両白書共通)第1章動向9節:業況/金利・為替・物価/雇用/生産性・投資/DX/価格転嫁/賃上げ/開廃業・倒産/事業承継
第1部 第2章共通価値4節:GX(脱炭素)/サーキュラーエコノミー/経済安保・人権/BCP
中小白書 第2部第1章 経営力(戦略・人材・成長意欲・透明性・ガバナンス)/第2章 スケールアップ(M&A・イノベーション・海外展開)
小規模白書 第2部第1章 持続的発展(差別化・経営計画・地域課題解決)/第2章 支援機関(課題・連携)

1. 業況と外部環境第1部第1章前半|「差は拡大」の章

売上・経常利益 — 「中小も伸びてはいる。ただし大企業との差は拡大」
経常利益は長期では上昇傾向。ただし大企業 17.5兆円 vs 中小 6.5兆円で差は拡大。業種ばらつき大で、宿泊・飲食などサービス業が伸び悩み。 「中小企業の経常利益は減少している」→×。伸びてはいる。問われるのは「差が拡大しているか」=○。
業況判断DI — 「30年ぶりの山のあと、足踏み」
2023年上半期に約30年ぶりの水準を記録 → 以降は低下し足踏み。業種別では製造業・建設業がコロナ前の水準に未回復「山は越えた、いま踊り場。工場と現場(製造・建設)はまだ戻ってない」
金利 — 今年の新顔テーマ「金利のある世界」
借入金利水準判断DIは 51 まで急上昇=前回利上げの2006・2007年以来の高水準。中小は大企業より借入金依存度が高く(特に宿泊・飲食)、有利子資産は少ないので金利上昇の恩恵は受けにくく、痛みだけ受けやすい構造。 「金利DI 51。ゴーイチ=5%成長ではなく『51の悲鳴』。宿泊・飲食が一番借りている」
円安・物価 — 「中小は輸入で払い、輸出で稼げない」
中小は輸入比率>輸出比率(例:従業者50〜99人で輸出4.0%/輸入11.0%。300人以上でも13.5%/15.5%)。だから円安・輸入物価高の負担側に立つ。 「中小企業は輸出比率が高いので円安はプラス」→×。逆。規模が小さいほど輸出比率は低い。
人手不足 — 「足りないのは現場」
ほぼ全業種で深刻化。不足している職種の第1位は現業職(販売・サービス・建設作業など):中規模 85.7%/小規模 88.0%。管理職(35.4%/16.3%)・事務職とは大差。 「9割近くが『現場がいない』。ホワイトカラー不足ではない」

2. 賃上げ・生産性・投資・転嫁第1部第1章後半|今年の数値アンカー最密集地帯

賃上げ — 「30年ぶりの高水準。でも大企業との格差は拡大」
2024年春季労使交渉:全体 5.10%/中小 4.45%約30年ぶりの賃上げ率を達成した一方、大企業との格差は 2023年0.35% → 2024年0.65%拡大。最低賃金は全国加重平均 1,055円(+51円、+5.1%)。 「5.10と4.45、差は0.65。最賃はテン・ゴー・ゴー(1055)で+5.1%」——「5」だらけの年と刻む。
労働分配率 — 「小規模はもう8割。賃上げ余力が薄い」
労働分配率(人件費÷付加価値額・低いほど賃上げ余力あり):小規模 80.0% > 中規模 76.9% > 大企業 48.2%「小さいほど高い。小規模8割・大企業5割弱」。順序を逆にする選択肢が定番。
「業績改善なき賃上げ」=防衛的賃上げの増加
賃上げ実施企業のうち「業績の改善が見られないが賃上げ」が 36.9%(2024年1月)→ 43.9%(同4〜5月)へ増加し、賃上げ実施企業の過半数を占める。付加価値に占める営業純益は中小 8.3% vs 大企業 34.3%。だから営業利益向上→賃上げ余力創出→人材確保の好循環が白書の処方箋。 「人が辞めるから、儲かってないけど上げる」——採用現場の実感そのもの。白書はこれを「限界。営業利益から作れ」と言っている。
労働生産性 — 「大企業だけ上がっている」
一人当たり付加価値額:大企業 1,589万円上昇傾向/中規模 579万円・小規模 503万円横ばい・伸び悩み(約30年前より緩やかに低下)。業種ではサービス業の伸びが特に小さい「大企業1,589(イチゴーハチキュー)は中小の約3倍」。3倍差だけでも刻む。
設備投資・デジタル化 — 「増やすべき局面なのに低水準」
設備投資額:大企業 24.5兆/中規模 12.8兆/小規模 4.2兆円。ソフトウェア投資比率も大企業 12.9% vs 中小 7.3% と半分程度。
デジタル化の取組段階:段階1(紙・口頭中心=非デジタル)が 30.8%(2023)→ 12.5%(2024)へ大幅減=裾野は広がった。ただし段階4(ビジネスモデル変革)は 3.2% にとどまる。 「デジタル化に全く取り組まない企業が約3割」→2023年の数字。2024年は12.5%まで減った。年次の取り違えを誘う。
価格転嫁 — 「5割近くまで来た。が、道半ば。労務費・エネルギーが遅れる」
価格転嫁率:コスト全般 49.7%(原材料 51.4%)と5割近くまで上昇も道半ば。遅れているのは労務費 44.7%・エネルギー費 44.4%「材料は半分通る。人件費と電気代は通りにくい」——賃上げ原資が転嫁できない構図が今年の急所。

3. 倒産・休廃業・事業承継第1部第1章末尾|毎年出る御三家。方向を絶対に間違えない

4つの方向をワンセットで刻む
指標2024年の値方向フック
倒産件数10,006件増加(再び1万件台)「1万件を、6件だけ超えた」
休廃業・解散69,019件増加「約7万件=倒産の約7倍」
うち黒字のまま休廃業51.1%過半「半分は黒字なのに畳む」
後継者不在率52.7%減少傾向(改善)「不在は半分ちょっと、でも年々減っている」
最頻ひっかけ:「後継者不在率は上昇している」→×(2011年66.2%→2024年52.7%へ低下)。一方「経営者年齢は高止まり(60歳以上が過半)」は○。不在率は改善・年齢は高止まり——逆方向の2つを混ぜてくる。
倒産の中身 — 「人手不足倒産・物価高倒産が増えた」
人手不足関連倒産 289件(過去最多水準・内訳は求人難114/退職71/人件費高騰104)。物価高倒産は 286件(2022)→646件(2023)→698件(2024)。一方で完全失業率は2.5%前後で横ばい「倒産増加に伴い完全失業率も上昇」→×。倒産は増えたが失業率は横ばい(人手不足なので吸収される)。
休廃業する経営者 — 「平均71.3歳・ピーク75歳」
休廃業・解散企業の経営者は70代・80代以上の割合が増加、平均 71.3歳・ピーク 75歳。経営者年齢の分布は平準化しつつも60歳以上が過半。後継者不在率は年代が上がるほど低い(60代38.1%>70代27.7%>80代22.2%)。 「歳を取るほど『もう決めてある』から不在率は下がる」——直感と逆なので出やすい。

4. 共通価値(GX・循環経済・経済安保・人権・BCP)第1部第2章|浅く広く。「要請は増えたが対応はまだ」の一言で貫く

全節共通の型:「取引先からの要請は増加、しかし中小の対応は限定的」
テーマ刻む数字
脱炭素(GX)協力要請を受けた割合 8.5%→12.0%に増加。業種は製造16.4%・運輸15.6%が高い
循環経済「概念を知らない・分からない」が57.9%で最多=認知が課題
経済安保要請内容の1位はサイバーセキュリティ強化 22.1%(ただし「特にない」67.5%)
人権尊重要請を受けた 9.6%。人権方針を「策定せず検討もせず」50.1%
BCP災害対策だけでなく平時の事業強化(コスト削減・生産効率・人材確保)にも寄与——という位置づけで登場
「要請だけ2桁%、対応はまだ1桁〜半分」。細かい数字よりも1位項目(製造業/サイバー)と「知らない6割(循環経済)」だけ持ち帰る。

5. 経営力の3要素中小白書第2部第1章|今年の本丸。「やってる企業は数字が良い」の羅列

骨格:経営力=①個人特性 ②戦略策定 ③組織人材
要素効く取組刻む対比(やってる vs やってない)
①個人特性異業種×広域の経営者ネットワーク/学び直し(リスキリング)ネットワークは「異業種×広域」が最も効果(新たな発想28.1%・意欲向上25.6%で4類型中トップ)。リスキリング→売上増加率 8.7% vs 5.7%
②戦略策定経営計画の策定・実行/差別化と市場環境を意識した適切な価格設定経営計画策定→売上増加率 7.7% vs 5.7%。計画の視野が5年超だと付加価値増加率 15.1%(1年以内5.7%の約3倍)。差別化×市場環境の両方を意識→価格転嫁が最も進む。マークアップ率が高い企業ほど経常利益率・設備投資・賃金が高い=好循環
③組織人材経営理念の共有/業績・財務など経営情報の開示属人化防止/従業員を大切にする人材経営理念共有→売上増加率 8.1% vs 2.4%。経営情報共有→付加価値 10.5% vs 6.3%。属人化防止→11.4% vs 5.9%
対比の数字はぜんぶ「やってる側がだいたい1.5〜3倍良い」。個別値を暗記するより「計画・共有・透明性・交流は全部プラスに効く」で正誤判定できる。唯一「桁が違う級」なのは理念共有8.1vs2.4(3倍超)と5年超計画15.1%
経営課題ランキング — 「1位はどの規模でも人材確保」
最重要の経営課題:中規模・小規模とも1位は人材確保(22.3%/23.0%)。2位以降に差——中規模は「省力化・生産性向上」(20.9%)、小規模は「受注・販売の拡大」「事業承継」(15.3%/15.7%)が高い。 「みんな人。中規模は省力化、小規模は売り先と後継ぎ」
ガバナンス — 「同族企業は社外の目が入っていない」
同族企業:取締役会の設置は 66.6% と一定程度進むが、社外取締役の登用は 9.9%(パブリック企業27.1%・所有と経営の分離企業26.4%と比べ顕著に低い)。ガバナンス強化企業は「財務内容の健全化」「部門・製品別コスト管理」に取り組む割合が高い。「赤字に陥らない経営」はガバナンス体制による差がない(ハードルが低い取組だから)。 「同族企業は取締役会の設置も1割未満」→×。1割未満なのは社外取締役。取締役会は3社に2社ある。
人材の確保・定着 — 「高賃金+働きやすさの両輪」
賃上げ率が高いほど定着率が高い(10%以上賃上げ→7割以上定着 56.4% vs 賃上げなし48.8%)。社内コミュニケーション円滑→定着53.5% vs 39.5%。人材確保に効いた働き方改善の1位は「有給・育休など休暇を取得しやすい職場づくり」67.9%、2位は時間外労働の削減 59.3%。 「金だけじゃ定着しない。1位は休みやすさ」

6. スケールアップと成長の壁中小白書第2部第2章|キーワードは「100億企業」

なぜスケールアップか — 「大きい企業ほど賃上げし、地域から仕入れる」
売上高規模が大きいほど賃上げの実施割合・上昇幅が大きく、域内仕入高も大きい(100億超の域内仕入率11.9%・仕入高1,601百万円)。中堅企業クラスに匹敵する売上高100億円規模の「100億企業」を目指す成長が、賃上げと地域経済維持に波及する——というのが政策ストーリー(ローカル・ゼブラ企業もこの文脈)。
成長の壁 — 「規模で処方箋が変わる」(今年の目玉ロジック)
売上規模処方箋(重視する戦略)
10億円未満経営者一人経営体制の限界補完型の専門人材の確保(33.6%)・経営者の職務権限分散(兼務解消・権限委譲)
100億円以上拡大する組織を支える人材経営人材の確保・育成(44.7%)・DX人材(23.2%)
「小さいうちは社長の分身(補完人材・権限委譲)、大きくなったら参謀と変革者(経営人材・DX人材)」。投資戦略では設備新設・M&A・輸出は大規模ほど重視、既存設備更新・研究開発は規模で差がない NIKAの支援先で言えば、立ち上げ期クリニックは前者(院長が全部やる限界)、拡大後は後者。自分の言葉で説明できれば正誤は割れない。
M&A・イノベーション・輸出 — 「成長した企業がやっていること」
M&A実施回数は規模が大きいほど多い。PMIの主導者は経営者自身が 65.1%。PMIで信頼関係構築に取り組んだ企業は「想定以上の効果」79.3%(未実施64.7%)。
イノベーション活動:スケールアップ企業 28.7% vs 横ばい・ダウン企業 19.7%。連携先は10億未満=支援機関(24.6%)/100億以上=仕入先(20.2%)・大学等(15.0%)
輸出:規模が大きいほど実施(100億以上は直接20.0%+間接18.3%)。 「M&Aは社長が前に出る(PMI主導65%)」「小は支援機関と、大は大学と組む」

7. 小規模事業者 — 差別化・自走化・地域小規模白書第2部第1章

差別化 — 「尖った商品・希少性」
小規模の特徴的な差別化は「希少価値・プレミアム感」22.9%・「地域資源・文化の活用」11.0%(いずれも中規模より高い)。差別化を意識している事業者は売上増加 43.8% vs 30.0%、採用予定人数の充足 57.8% vs 46.7%。 「小規模の武器は安さではなく希少性。売上にも採用にも効く」
経営計画と「経営の自走化」
経営計画を策定した小規模事業者の約76%が想定どおり以上の効果を実感。効果の中身1位は「経営状況の把握」51.9%・2位「自社の強み・弱みの理解」40.2%(補助金の獲得32.1%は3番手)。さらに策定するだけでなく運用(振り返り・見直し)している事業者は売上増加 52.5%(策定なし36.8%)。これが「経営の自走化」「経営計画策定の最大の効果は補助金の獲得」→×。1位は経営状況の把握。実利より自己理解、が白書の答え。
地域の社会課題解決 — 「ローカル・ゼブラ」
取り組まない理由の1位は「地域にどのような社会課題があるのか分からない」35.1%営利事業として取り組む事業者は売上増加 48.0% vs 39.0%=地域貢献とビジネスは両立する。自治体が期待する課題の筆頭は「地域経済活性化・雇用創出」。 「ボランティアではなく商売として地域課題を解く企業(ローカル・ゼブラ)が業績も良い」

8. 支援機関小規模白書第2部第2章|「相談員が足りない。だから連携」

この章は4つの数字で終わる
論点刻む数字
活用状況小規模 76.6% > 中規模 64.5%(小さいほど頼る)
相談される課題1位 資金繰り改善 34.1%・2位 販路の強化・開拓 28.9%
相談員過半数(53.4%)の支援機関で不足。地方圏は 60.2% と特に顕著
連携の効果他機関と連携している支援機関は課題解決率 90.6% vs 77.4%。連携の課題は「段取り・仕組みの整備」34.4%・「他機関の特徴や強みの理解」23.6%
「金繰りと販路の相談を、足りない相談員が受けている。答えは連携」。診断士制度の存在意義そのものの章=出題者が好む。

9. ○×即答ドリル208/2朝・科目間はここだけ読む

2024年の企業倒産件数は約1万件と、前年から増加した。
10,006件。コロナ禍以降増加に転じ再び1万件台。人手不足倒産289件・物価高倒産698件も増加。
倒産件数の増加に伴い、完全失業率も上昇傾向にある。
× 完全失業率は2.5%前後で横ばい。人手不足の労働市場が吸収。
休廃業・解散件数は約6.9万件に増加し、その約半数は直前期が黒字だった。
69,019件・黒字割合51.1%。「儲かっていても畳む」が過半。
中小企業の後継者不在率は年々上昇し、7割に近づいている。
× 低下傾向で52.7%。7割近く(66.2%)は2011年の話。年齢が上がるほど不在率は低い。
2024年春季労使交渉の賃上げ率は中小企業でも4%を超えたが、大企業との格差は拡大した。
中小4.45%(全体5.10%)。格差は0.35%→0.65%へ拡大。
労働分配率は、企業規模が大きいほど高い。
× 逆。小規模80.0%>中規模76.9%>大企業48.2%。小さいほど賃上げ余力が薄い。
中小企業の労働生産性は大企業と同様、近年上昇傾向にある。
× 上昇は大企業(1,589万円)。中規模579・小規模503万円は横ばい・伸び悩み。
賃上げを実施した中小企業のうち、業績の改善が見られない中で実施した企業が過半数を占める。
43.9%(2024年4-5月)で賃上げ実施企業の過半。防衛的賃上げの増加が今年の論点。
価格転嫁率はコスト全般で約5割まで上昇したが、特に労務費・エネルギー費の転嫁が遅れている。
全般49.7%・原材料51.4%に対し労務費44.7%・エネルギー44.4%。
デジタル化に全く取り組んでいない中小企業(段階1)は、2024年時点でも約3割存在する。
× 30.8%(2023)→12.5%(2024)へ大幅減。ただし段階4は3.2%にとどまる。
中小企業は大企業に比べ輸入比率より輸出比率が高いため、円安の恩恵を受けやすい。
× 中小は輸入比率>輸出比率。円安はコスト増として効く。
借入金利水準判断DIは大幅に上昇し、前回利上げ局面の2006・2007年以来の高水準となった。
DI=51。中小は借入金依存度が高く(特に宿泊・飲食)、金利上昇の利益下押しを受けやすい。
不足している職種として最も多く挙げられたのは、経理・人事などの事務職である。
× 1位は現業職(中規模85.7%・小規模88.0%)。事務職・管理職とは大差。
中小企業が最も重要と考える経営課題は、企業規模を問わず「人材確保」である。
中規模22.3%・小規模23.0%で1位。2位以下は中規模=省力化・生産性向上、小規模=受注販売拡大・事業承継。
経営者ネットワークの効果が最も高いのは、同業種・同域の緊密なネットワークである。
× 異業種×広域が最も効果(新たな発想・成長意欲とも4類型トップ)。
経営計画で見据える年数が長い企業ほど、付加価値額の増加率が高い。
5年超15.1%>3-5年11.8%>1-3年8.2%>1年以内5.7%。きれいな単調増加。
同族企業では取締役会の設置・社外取締役の登用とも1割未満にとどまる。
× 社外取締役は9.9%だが取締役会設置は66.6%。混ぜてくる。
売上高10億円未満の企業の規模拡大では「経営人材・DX人材の確保」が、100億円以上では「補完型専門人材の確保と権限委譲」が重視される。
× 。10億未満=補完型専門人材・権限委譲(一人経営の克服)/100億以上=経営人材44.7%・DX人材23.2%。
M&A後のPMIは、経営者自身が主導した割合が6割を超える。
65.1%。信頼関係構築に取り組んだ企業は「想定以上の効果」79.3%。
小規模事業者の経営計画策定の効果として最も多いのは「補助金の獲得」である。
× 1位は「経営状況の把握」51.9%。補助金32.1%は上位だが1位ではない。策定+運用(振り返り)で売上増52.5%=「経営の自走化」。